「家庭ゼミナール」のすすめ

百瀬昭次 家庭ゼミナール

我が家では毎晩、親子でのコミュニケーションを持つ時間を設けている。約30分の間だが、まず、みんなで一緒に伝記の本1ページを音読し、次に一人ひとりが今日一日の出来事を報告し合う。全員の報告が終わると、音読の道徳本をこれまた1ページみんなで一緒に音読し、その中で心に残った一節を各々が書写する。各自が書写した一節を心に刻みながら3回復唱して終わる。最後に、家族みんなで手を繋いで輪になり、感謝の祈りを捧げて終わる。

 

これを始めるきっかけになったのが、独身時代に読んだ百瀬昭次先生の著書(写真:致知出版社刊)であり、上記の内容が自分なりに工夫して行っている「家庭ゼミナール」なのである。

 

『[家庭ゼミナール]のすすめ』から引用する。

 

 これからの家庭は、家族一人ひとりが人間的に一段と向上するような機能をそなえることが基本条件で、単なる家族の集合体であってはならないということです。

 それには、家族全員が人間的向上を目指すという共通の目標を掲げ、具体的な方策を打ち出し、それを全員で実行に移すことが不可欠です。

 

 では、具体的にはどうすればよいか。やはり「家」に大黒柱を通すように、家の内でも家族が互いに学び合い育て合うことを定期的にどこまでも継続していくような、大黒柱を一本通す教育態勢をととのえることが第一で、それをわたしは「家庭ゼミナール」と呼んでいるわけです。

 

 現代の子どもたちは、内面的な充実を強く要望し、人間学の基本を心底求めているのです。したがって、それを各家庭で、「黄金の時期」にわが子に教えこめば、その成果は個人的にも社会的にも計り知れないでしょう。そして、それを可能にするシステムが「家庭ゼミナール」であると、わたしは確信しています。

 もちろん、この家庭ゼミナールは、人間学だけを教えるためのものではなく、いちばんの目的は、親子や家族が定期的にコミュニケーションの場を設け、和気あいあいとコミュニケーションを図ることにあります。人間学の伝授はあくまでもその柱であるということです。

文中の一番の目的である「親子や家族が定期的にコミュニケーションの場を設け、和気あいあいとコミュニケーションを図ること」は(形だけかもしれないが)何とか出来ている。が、「人間学の伝授」は、伝授する以前に、まず親自身がしっかりと人間的に向上できるようにと、子どもたちと学んでいる毎日なのである。

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