結論から言うと、それは。
「おたがいの行動についてもっとも寛大な解釈を当てはめ、それを信じること。」
なのだそうだ。
この言葉は、結婚や夫婦愛について書かれた本ではなく、何と、ビジネス書の中で出会った。
そのビジネス書とは『最高のリーダー、マネジャーがいつも考えているたったひとつのこと』(2006/01 日本経済新聞社)。
たったひとつのことを見きわめる方法、「たったひとつのこと」とは何ぞや、という導入に、結婚生活を例に挙げているのだ。
ビジネス書の本題を置いてきぼりにしながら、私の関心は、“幸せな結婚生活について知らなければならない「たったひとつのこと」”に集中してしまった。
詳しい内容を引用しよう。
そこでこうした夫婦に対して数年の追跡調査をおこなった。何がわかったか。妻を過大評価した夫は、いまのふたりの関係に大きな満足を覚えているだけでなく、その後もさらに満足度が高まり、対立の原因や、疑いを抱く瞬間は減る一方という結果が報告された。
そういうことなのだ。妻自身すら持っていないと思っている強みを、持っていると思い込んでいる夫は、今日、結婚生活において強い関係を築けるうえに、明日にはそれがさらに強まるのである。
愛は肯定的幻想で始まる。が、強く結ばれた結婚生活においては、おたがいの強みや弱みの冷静かつ正確な理解が深まるとともに、そうした肯定的幻想も消えることなく共存していくのだ。肯定的幻想は、おのおのの強みをふたりの関係という生地に織り込んでいく。やがてその生地は本物になる。幻想が現実になる。平たく言えば、肯定的幻想が愛を持続させるのだ。
おお、これは凄い!
「肯定的幻想が愛を持続させる」ということなんだ。
その昔、Janis Ian (ジャニス・イアン)が歌い大ヒットした、Love is Blind(恋は盲目)という歌がありましたが、歌詞は悲しく切ないものでした。ところが、「愛は盲目」の持続こそ、いや、それを更に一歩進めた「おたがいの行動についてもっとも寛大な解釈を当てはめ、それを信じること。」が、幸せな結婚生活について知らなければならない「たったひとつのこと」、幸せな結婚生活の秘訣中の秘訣だったのですね。